10月中旬に予定される代表メンバー発表まで、小久保監督を中心に候補選手を調整しながら、選定が重ねられるが、阪神勢にとって国際戦はすっかり無縁の舞台になっている。
 昨年11月のプレミア12で、ただ1人のメンバーだった藤浪が右肩の炎症で代表を辞退。今年3月の強化試合台湾戦も12球団で唯一の選出ゼロ。直近の侍ジャパンの招集で2回連続の代表不在は球界を見渡しても阪神だけだ。

 球界の「顔」でもある藤浪はプロ4年目の今季、7勝11敗、防御率3・25にとどまり、入団1年目からの3年連続2桁勝利でストップした。投球のバランスが整わずに苦戦。
 シーズン最終盤こそ復調したが全体的には本来の状態ではなく、メンバー調整で選出の可能性を残すものの、候補から外れているのが現状だ。
 11月の強化試合は、来年3月に行われるWBCの前哨戦に位置づけられ、今回のメンバーは、そのまま世界戦の骨格になる。阪神勢が姿を消せば、虎党にとって、何とも寂しい事態だろう。

 過去3度のWBCでは、阪神勢は堂々と代表に名を連ねてきた。前回大会の13年に鳥谷が敗色濃厚の台湾戦で薄氷の二塁盗塁を決めて逆転勝ちへの活路を開いたのは記憶に新しい。
 金本監督率いるチームは若手の育成を図る過渡期になる。4年後の東京五輪は藤浪のほか、高山、北條、岩貞ら有力候補がめじろ押しだが、目前の大舞台でサムライ消滅の危機に陥っている。
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