片岡:お前、名前で呼んでもらったことないやろ。

橋本:ないね。「テメエ」か「コノヤロー」やね。

片岡:一方の立浪は、部で御法度とされる見逃し三振をした後でも、監督から「タツ、スライダーか?」って聞かれるだけ(笑い)。
凡打しただけでも謝ってた僕からしたら羨ましかった。

橋本:まあ監督は1人1人の性格を見ていたんやろうな。立浪はいつも冷静で、しんどそうなところを見せないヤツやったし。

片岡:当時、苦しい時や辛い時は、寮の屋上へ上がって皆で泣いていた。「しんどいなァ」「辞めてやろうかな」とか愚痴をいってね。
でも立浪だけはそんな時でもマスコットバットを振っていた。

ある時、僕が実家の京都のほうを眺めながらしみじみ泣いていると、立浪がやって来て
「片岡、そっちは和歌山や。京都は反対や」と教えてくれた。お前、どんだけ冷静やねんと思ったね(笑い)。

※週刊ポスト2015年5月8・15日号

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150505-00000002-pseven-spo