今回はこれを見るために、勝利確率(特定の点差・イニング・アウトカウント・走者状況から平均的にチームに見込まれる勝率)を使います。
各イニングを攻撃時と守備時に分け、攻撃時は勝利確率が最大化した時点の値を、守備時は勝利確率が最低となって時点の値を記録し、平均にしました。これによって得点には至らなかったチャンスとピンチも対象とすることができます。
http://i.imgur.com/XcBP9Km.jpg

マギー・シフト時の勝利確率が全体的に高いことを確認できますが、5回、6回の攻撃をピークに緩やかに低下しています。これは、この辺りで試合をひっくり返されるケースが多いためと考えられ、図2で示した中盤での失点の増加もこれを裏付けていると考えられます。
確かにマギー選手のUZR(Ultimate Zone Rating)はマイナスで、7月中にエラーを2回していますが、それだけでここまで影響があるとは考えにくく、どちらかというとリリーフ投手の質の問題のほうが大きいと考えます。

チーム全体のパフォーマンスの変化がわかったところで、マギー・シフトが具体的にどの程度の成果を挙げているかに踏み込んでいきたいと思います。まず、マギーと他球団の二塁手ではどの程度打力に差があるか見てみます。
http://i.imgur.com/gnvEiI7.jpg
主に菊池涼介が守る広島の二塁がセ・リーグでは最も高くなっていますが、マギーはそれ以上の打力を見せています。
さらに読売の二塁はリーグで最も打力を欠いており、ここにマギーを置くことは劇的な攻撃力の改善をもたらしそうです。読売の主要二塁手の打撃成績も確認しておきましょう。
http://i.imgur.com/Ck11zf4.jpg