元プロ野球選手の清原和博氏(50)がスポニチ本紙の取材に応じ、22日の第99回全国高校野球選手権大会準決勝・天理戦で同氏の大会5本塁打の記録に挑む広陵(広島)の中村奨成捕手(3年)へエールを送った。
自らもPL学園の4番として臨んだ1985年に、宇部商との決勝で2本塁打して優勝と最多記録を樹立。その再現として、決勝での2本塁打での新記録誕生を願った。 (取材・構成=後藤 茂樹)

 自分と同じ右打ちのスラッガー誕生を待ち望んでいたかのようだった。清原氏は、穏やかで温かいまなざしを中村に送った。

 「僕と同じように、決勝で2発で超えてくれたらいいんじゃないですかね。準決勝はヒット3本ぐらいで。抜かれるなら、決勝の2発で見たいですね。それぐらいドラマチックに決めてほしい。今年はホームランが多い。可能性は十分にあるんじゃないですか」

 今秋ドラフト1位候補の中村の噂は、大会前から知人を通じ耳にしていた。ただバットではなく、非常に優れた捕手という評価だった。

 「キャッチャーとしての能力が高い。そういう話の方が、よく聞いていました」

 マスク越しの姿だけではなく、純粋にスラッガーとして。右へ、左へと本塁打を量産する動画を凝視し、躍動する姿に目を凝らす。もちろん右肩に仕込まれたバズーカにも。

 「非常にコンパクトでいいスイングだと思います。基本に忠実で癖もないし。欠点は少ないですね。体に力があるから、バネというか瞬発力もある。足も速いんですよね?」

 近年のプロ野球では、特に打力に優れた打てる捕手が少ない。

 「プロ野球でも捕手は守り重視というところはある。どうしても打率も伸びにくいですし。捕手でここまで打てているのが素晴らしいし、気分良くリードもできていると思う」