「ふ〜ん。で、どうしてほしいわけ?」
「どう…って、姉貴…姉さんの好きなようにいじめてほしい」
「あっ、そ。ところでアンタ、どのくらいオナニーしてんの?」
「…毎日。多いときは日に3回くらいは…」
「あたしをおかずにして?」
だまって頷く。
「まったく、あきれたコね。分かった。いいわ。いじめてあげる」
オレは思わず顔を上げた。しかし、次に耳にしたのは全く予想もしていない言
葉だった。
「あたしがいいって言うまでオナニー禁止。以上」
「な、ちょっ…そんな!」
「あたしの好きにされたいんでしょ」
「そうだけど、それは…」
「ヤならいいわよ。好きにしなさい。その代わり、もうおしまいだからね」
オナニーを禁止されることなど想像もしていなかったが、これで終わらせるな
ど、もっととんでもないことだと、オレは食い下がった。
「…我慢したら、またしてくれるのか?」
「どうかなぁ。アンタの態度次第ね」
そうまで言われては、従うよりほかになかった。
「…分かった」
「分かりました、でしょ!」
「分かりました」
「時々点検するからね。バレないと思って勝手にやるのは自由だけド、あたし
がチョットでもあやしいと思ったら、本当にしてようがしてまいが、そこでお
しまいよ。いい?」
オレはだまって頷くしかなかった。
「分かったら、もういいでしょ。あたしは今忙しいんだから」
そう言うと、姉貴は取り付くしまもなく、オレを部屋から追い出した。
オレは猛りきった欲望を沈めることを許されないまま、すごすごと自分の部屋
へ戻るしかなかった…。