意識朦朧とするまで凹って、放置しては万一の死亡が心配であったので
夕闇が濃くなるのを待って、寒魔の家まで引きずっていった。寒魔は独
身で母親と二人暮しだった。庭先に棄てて引き返すつもりが、その母に
見つかってしまって、事態は一気に面倒になってしまった。
血相変えた寒魔の母親が、自分の息子を○○ちゃんと呼んでところで僕は
閃いてしまったよ。もう十発ほどお前の息子を殴るつもりだが、お前が
身代わりになるなら免除すると母親に言った。寒魔の歪んで性格の根源を
見たよ。○○ちゃんだからな。女と見れば凶暴になる理由もおそらくは
母親との関係が元だろう。(寒魔が母親に暴力を振るっているのは近所で
有名だったがこれは後で知った)
母親に身代わりに殴られてもらう屈辱ほど寒魔に効く攻撃はないととっさ
に思ったよ。おそらく、寒魔が他人に知られるのを嫌がって何も口外しな
いことも予想できた。(見事に当たったがこういう自分は消して好きでは
ない)母親は入れ歯を外させて僕が殴った。こんな事は誰かにやらせられ
ないからな。正直、半分も力が入らなかったが婆さんであったから、地面
に倒れた。寒魔を庭に置き捨てて、その場で参会した。

以上。あまり名誉なやり口ではないな。