菜穂「それでね、さらにおトクな話があるのよ?私たちも普通に蹴ってるだけだと張り合いがないでしょ?
   俊一にもオイシイところを用意してやったわ。私たち蹴るのは一人ずつにしてあげる。
   でね、俊一が一人につき1分間泣くのを我慢できたら、それ以降一秒ごとに賞金として10円ずつあげちゃうよ!」
智子「どぉ?うれしいでしょ?私たちの自腹よ。たった1分と15秒我慢するだけでお前の日給越えちゃうね?」
俊一は日給制で金額は上司である智子が決めているが、だいたい130円前後が相場だった。10円と言えば
平均の時給よりも高い。それをたったの1秒で…。俊一は息を飲んだ。
美紀「よかったね、俊一?これで俊一も頑張れるでしょ?」

俊一(そ、そんなの簡単だっ…!とにかく我慢すればいいんだ…。若輩の小娘たちに目にもの見せるいい機会だっ…。
   ここで一発根性見せて1週間分でも2週間分でも稼いでやるっ…!)
俊一は自分を必死に奮い立たせた。愚かにも先ほどのロングブーツに対する恐怖感はコロッと忘れてしまっていた。
菜穂「よーし、俊一クンもやる気になってきたみたいだし、早速ゲーム開始と行こうか!」