とある高校に中岡佑介という非常に強い高校生がいた。佑介は高校2年生、身長176センチ、体重63キロで筋肉質な体をしており、中学時代は、空手で全国制覇をしている程の実力者で、強いのも当然である。
佑介は高校生になってからはなんの部活動もしていないが、佑介が高校に入学してからすぐに、絡んできた上級生の不良グループ4人を一人であっさり倒したことから彼の強さは広まり、佑介が中学時代の全国空手王者だという過去が知れ渡った。
それからも同校の何人かの腕自慢の不良達が佑介に挑んだが、ことごとく倒されていった。佑介が2年生になる頃には、学校一強いのは中岡佑介と、学校中の生徒がそう信じて疑わなかった。
なので学校中の生徒達は佑介を恐れ、佑介の顔色を伺う者がほとんどだった。佑介も自分が一番強いと確信しており、誰ともつるまない一匹狼だったが、自分が一番強いんだという誇りと自信からの誇らしげな高校生活を、2年の春までは送っていられた。
ところがその佑介の自信と誇りは、ある一人の女子高生によってこなごなにされることになるとはこの時、本人は勿論、誰も知る由はなかった。