「入ります。起床時間です。」と二人の女性警察官は扉を開けた。その途端、不快感に顔をしかめる。
窓のない密室に、男の臭いが立ち込めていた。
男は床に横向きになって転がって寝ていた。睡眠不足のような顔色から見て、直前に眠りについたのかも知れないと二人は思った。
男は脚を縮めるように曲げていて、その両足の太ももの間で包茎だけが元気に立ち上がっており、太ももを男の液で濡らした跡があった。
…そんなに興奮して眠れなかったのか?マゾが!
二人のうち、マゾ嫌いの女性警察官はペッと唾を吐き掛けたくなる衝動を抑えつつ、もう一度声を掛けた。
「起床!起きなさい!」
男が眠そうな眼を開け、虚ろな表情でなんとか正座する。股間ではまだ包茎が立ち上がっていた。
「ハイニョウしてきなさい。」
女性警察官に言われ、男は一瞬意味が解らなかった。
「…トイレでオシッコしてきなさい。」言い直されて、ようやく意味が解り、トイレへと向かう。
便座に座るが、硬くなった包茎が上を向いてしまう。上体を倒すようにして、なんとか男の器官を便器内に向け直す。平身低頭したような姿…しかも女性たちに見守られている、と思うと出にくい。
「あの…見ないでもらえますか?」と男は聞いてみた。
「いいから済ませなさい。」と言われ、男はマゾは人間ではないのだと改めて思い知らされる。