>>832

「粗相をしたそうだね。」女豹が苦笑する。
移送する時間となっていた。
男の手の拘束は再びきつくなり、両手首を後ろ手に手錠で拘束され、その手錠が首輪へとロープで繋がれた。
別なリードが首輪に通され、そのリードを女性警察官が持って牽引していく。
女豹と、その部下二人。三人の制服姿の女性警察官に囲まれた、全裸の男が廊下を裸足で歩いていく。
周囲に見せないように設計されたルートなので、他に見ているものは居なかった。
おそらく、通常の人が見たら異常に思えたに違いなかった。身体にいくつもの鞭の跡を付けた全裸の拘束された男…その股間で、包茎がガチガチに硬くなっていた。
暗い廊下に外からの光が差し込む。出口が近い。
先頭を歩いていた女豹が、出口の扉の手前で男に振り返った。
「最後にもう一度聞こう…君は本当に、マゾとして生きていくのか?」
女豹の問い掛けに、発情した眼を潤ませながら、男は頷いた。
「そうか。」女豹はひとつ頷き、扉を開けた。
護送車が後方扉を開けて待っていた。
輸送担当者の女性にリードが手渡され、日の光と外気を全裸の身体に感じながら、男は護送車に乗り込む。
早く、早く射精させて欲しかった。
指定された席に座るとリードが固定され、顔に布を掛けられて視界が奪われた。
「達者でな。…また会おう。」女豹が言った声は、男の耳には届いてなかった。