ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン

鳴り響く鐘の音で目が醒めた優美子は上半身を起こして周囲を見回し、そして小さく呟いた。

「・・・夢か・・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガッチャ―ーーーン

優美子の一人言のあと、檻の扉が一斉に開かれた。
それと同時に他の女達も次々に目を覚ますと直ちに立ち上がって檻の外に出て通路に横一列に並んでいった。
それを優美子が憂鬱な目で眺めていると、M92が号また話しかけてきた。

「99号、あなたも早く並んで。直ぐに調教士の方々が来るから。あなたは98号の隣に並ぶのよ 」 

並ばなければどうなるのか大体予想出来るようになっていた優美子は無言のまま立ち上がり、
檻から出て92号の言うとおりに、M98号と描かれた女の隣に並んだ。
他の檻からも、女達が続々と通路に出て来て綺麗に整列していく。
その並んだ全裸体に描かれた数字を見ていくと、どうやら全員番号順に並ばせられているようだ。

「昨日は良く眠れましたか?」

突然、隣に並んでいた女が優美子に尋ねてきた。裸体にはM98の文字が彫られ、その胸元にはM92号のように金色の五芒星が輝いていた。
ただし、M92号には3つあった星がこの女の場合は1つだけである。この星の数の違いには何の意味があるのか?  

「えっ?・・あ・・はい・・・」

優美子は突然の質問に少々戸惑いながら短く答えた。すると、M98号はにっこりと笑って 

「そうですか。それは良かったです。今日から99号も修行ですね。お互い頑張りましょう」

と優美子に優しく励ましの言葉をかけた。自分への思いやりは感じられるが、こんな状況で何を頑張れと言うのか?
と、むしろ自分の感情とは余りにも掛け離れ過ぎた彼女の感覚に苛立ちを感じた優美子は、ただ黙り込んだ。