弥生たちが懸命に腰を振り続けながら乗っている此の物体の正体は「雌車」と呼ばれるものであった。
此の雌車という乗り物は、ヤプーの肉体を動力源として動くイースでは極めて一般的な乗り物である「畜力車」から着想を得て、
ぺニリンガ候補雌畜の調教、特に、腰周りと腹部の筋力と、その動かし方の性能向上を図る為に開発された訓練装置である。
其の駆動原理を大まかに説明する為に、先ず、台車の上に設置された立方体=ギアボックスの内部構造について解説しよう。
此の一辺約50cmの立方体の内部には、雌ヤプーの両手を拘束する拘束具の他に、四種類の駆動機構が内蔵されている。
直線での高速直進走行を可能にする小直径・低トルクギアを搭載した駆動機構。
急勾配の上り坂の登坂を可能にする大直径・高トルクギアを搭載した駆動機構。
車体前輪の向きを、前向きから左向き及び右向きへとを変えながら前進することを可能にする進路変更ギアを搭載した駆動機構。
逆向きに進むことを可能にする逆回転ギアを搭載した駆動機構。この4種類である。
この4種類の駆動機構が、必要に応じてギアボックス内部に挿入されているシャフトに接続される。
そして、其のシャフトのもう一方に、膣と肛門に挿入されたギア変更レバーによって連結されている雌ヤプーが、
腰を、高速で前後に振れば高速直進。上下に腰を振れば高トルク登坂直進。
右回りに腰を回せば右回転。左回りに腰を回せば左回転。縦に8の字を描くように腰を振れば後進。
といったように、其々の駆動機構に対応した腰の振り方をすることによって雌車を自由に走らせることが可能となる。
つまり、此の雌車に乗せられて、複雑なコースを規定時間内に走行する事を強制された雌ヤプーは、
指定されたコースを素早く走り抜ける努力を達成していくなかで、必然的に自身の腰使いを上達させることになり、
「良く締まり、繊細に動く穴」と並んで優秀なぺニリンガには欠かす事のできない条件である
「複雑な動きを、高速で、長時間行える腰」というもう一つの要素を徹底的に仕込まれていくのであった。