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【ハロプロで】女王様&M女【SMクラブ】
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0001名無し調教中。2007/12/25(火) 02:56:48ID:sckfCXoS
してみたいプレイ等を語りましょう。
0182名無し調教中。2009/07/10(金) 00:27:48ID:uEGRWZjI

さゆはソファの前に膝をついて座り、一生懸命に口で足奉仕をしていた。
全裸にブラとパンツだけを身に付け、その上から赤い綿ロープで亀甲縛りが施されている。
両手は背中に回して拘束されているので、ブラに包まれた胸を前に突き出す格好に。
首には赤い革の首輪が巻かれ、そこからはチェーンが延びている。
股間には小さなローターが挿入されおり、そこからもコードが。
チェーンとコード両方の先は、ソファに座るガウン姿の初老の男が握っていた。
足から口を離す瞬間、さゆの口から銀の糸が伸びる。
 
「ハヤシ様、キモチイイですか?」
 
潤んだ目で問いかけるさゆ。赤い唇も唾液で光っている。
最弱で振動しているローターが心地よい刺激を送り続け、じっとしていられない。
0183名無し調教中。2009/07/10(金) 00:29:19ID:uEGRWZjI
 
「ああ。続けなさい」
 
ハヤシと呼ばれた男は足を組み替え、今度は反対の左足が前に出される。
まずは足の甲にゆっくりと口づけ。そして親指から順に五本の指にも唇で触れていく。
小指まで行ったら折り返し。指を一本づつ口に含んでいく。
歯をあてないよう気をつけながら唇と舌で丹念に刷り上げる。フェラチオと同じ要領だ。
親指などはアソコの先端に似ているから、ピストン運動しないほかはほとんど同じ動き。
そういえば足の親指が大きい人はアソコも大きいと絵里が言ってたっけ。
さゆは薬指を舐めながらそんなことを思い出していた。
0184名無し調教中。2009/07/10(金) 00:32:45ID:uEGRWZjI
 
「いいぞ、しっかり綺麗にするんだ」
「ふぁぃ」
 
さゆは指をくわえたまま視線を上げ、ハヤシの顔を見つめて返事をした。
態度は横暴だが、本当はやさしい心遣いのあるSだということをさゆは知っている。

たとえばこの足。プレイ前のシャワーの時に丹念に洗うのはもちろん、
足奉仕を想定して爪は短く切られており、隅々まで手入れが行き届いている。
短いプレイ時間内でお互いの信頼が必要なSMプレイを楽しむためには、
料金は当然として、こういった細かい気遣いで信頼度が変わってくる。
実際、信頼できる常連であるハヤシに対して、さゆは思う存分プレイに没頭していた。
0185名無し調教中。2009/07/10(金) 00:35:08ID:uEGRWZjI
 
さゆの口が人差し指を終えて親指に移るころ、ハヤシはローターの振動を一段階強くした。
それまで平衡を保っていたさゆのカラダが快感に震える。
ハヤシは同時に足をそれまでの位置から前に突き出した。
一瞬、逃げかけたが、のけぞって顔で受け止めるさゆ。
しかし被虐感と陵辱感、そしてローターの刺激に負けて口は動かせない。
 
「なに悶えてるんだ、このメスブタめ」
 
ローターがさらに強くなる。ついに足から口を離し這いつくばってしまう。
そこを容赦せず、首輪につながったチェーンを引っ張るハヤシ。
首輪の刺激に負けそうになるが、さゆはなんとか平衡点を見つけてカラダを持ち上げる。
その目の前には、左足の親指が差し出されていた。
 
「おまえは言われたことを最後までできないのか。やはりブタには無理なのかね」
0186名無し調教中。2009/07/10(金) 00:36:23ID:uEGRWZjI

反論しようとしたが言葉が出てこない。それにここは言葉を使う場面ではない。
さゆは再び親指に口づけをしてから、口に含む。懸命に唇と舌を動かして刺激を送る。
 
「いいぞ、すごくいい。やればできるじゃないか」
「あひふぁとうふぉふぁいまふ」
 
上目遣いで答えるさゆを見つめるハヤシも、また興奮していた。
その証拠に、股間は指一本触れていないのに固く大きくなっていた。
 
「よしいいぞ」
 
その言葉でさゆはゆっくりと口を離す。トロンととろけた目に、口の端から垂れる唾液。
ローターによって刺激を与えられているアソコもしっとりと湿っていた。
0188名無し調教中。2009/07/13(月) 00:41:18ID:WFgVx1z9
>>187
そうですM嬢編です
Sなさゆみんも、そのうち書ければいいなあ、とか思ってます
 
では続きを
0189名無し調教中。2009/07/13(月) 00:43:23ID:WFgVx1z9
 
「こっちへ来い」
 
チェーンを引かれてソファに座らせられて、手の拘束を解かれる。
自由になった両手。無意識に手首の辺りをさするのはもどかしさを感じているからか。
ハヤシはしばらくさゆを眺めていたが、ひと段落して再び動き出す。
 
「両足をソファに上げて座れ。開いて。そうだ」
 
ハヤシは左右の脚を、膝を深く曲げた状態ですねとももを縛って固めた。
続いて両足首を開いた状態でソファの両端に固定する。これで脚は閉じられない。
M字に開かれた両脚の真ん中、わずか布一枚だけで隠されたアソコ。
ハヤシは床に座り込み、息がかかるほどの近距離から覗き込む。
視線を感じるさゆは恥ずかしくて顔を背けるが、ハヤシの視姦は止まらない。
0190名無し調教中。2009/07/13(月) 00:45:18ID:WFgVx1z9
 
「いい眺めだ。この丸み。曲線。イヤらしい形をしているな」
 
恥ずかしさに首を小さく振るさゆ。顔を背けているのに、股間に固定された視線を感じる。
しかし、ハヤシはいつまでも見ているだけで済ませない。
今だ挿入されたままのローターをツンツンと引っ張って刺激を与える。
微妙な刺激に身悶えるさゆ。ハヤシはそれを見て微笑む。
 
「この布切れが邪魔だな。こうしてやるか」
 
ハヤシはハサミを取り出して内腿にあてる。冷たい金属の触感がさゆに恐怖感を与える。
ハサミの先でさゆの敏感なクレバスをなぞる。さゆは緊張と恐怖で身体が固くなる。
0191名無し調教中。2009/07/13(月) 00:49:43ID:WFgVx1z9
 
「安心しろ。この邪魔な布切れを切るだけだ」

それだけ言うとクロッチ部分を一気に切断する。両脇の部分も切り下着はただの布切れ以下に。
イヤ、と言うさゆを尻目に手を止めないハヤシ。外気に晒されたアソコをじっくりと鑑賞する。
指先で開いたり閉じたりして、キレイなピンク色の内側もしっかりと確認。
そうしている間に、その内側から感じている証拠となる透明な液がじんわりと滴る。
 
「もう濡らしているのか淫乱メス豚め。これも長いな。剃るのも悪くないな。似合うぞ」
 
少し長めの陰毛を引っ張って、ニヤけながらつぶやくハヤシ。
想像して恥ずかしさに背けたままの顔を赤らめるさゆ。
イヤです、と口の中でつぶやくのが精一杯。
0192名無し調教中。2009/07/13(月) 00:55:27ID:WFgVx1z9
 
「まあそれは後だ。それよりもさっきの奉仕のご褒美をやろう」
 
ご褒美という言葉に少し安心するさゆ。
ハヤシはソファに移動するときにOFFにしたままのローターのリモコンを手にした。
コードを軽く引っ張りポイントを探りつつ、前触れ無く一気に最強で振動させた。
 
「あっ、あっ、キモチイイです」
「まだだ。もっと感じるんだ」
 
人差し指と中指で敏感な肉芽をはさみ、ローターの振動を拾うように押しつける。
グリグリと小さな円を描くように指先を回すとさらに声のピッチが上がる。
刺激をご褒美として受け入れ、どんどん高まっていくさゆ。
これまでゆっくりと余熱されていた身体が一気に盛り上がり、白い肌が紅潮していく。
0193名無し調教中。2009/07/13(月) 23:13:12ID:WFgVx1z9

それを見ながらハヤシが何かに手を伸ばす。
スイッチを入れると低いモーター音がうなりをあげる。白い悪魔、電マだ。
これを容赦なくアソコに押し当てる。
 
「うああっあっあっあっー!」
 
電マの振動にローターが共振しそれぞれの合計以上の刺激となってさゆを襲う。
あまりの快感に声を上げてしまう。
脚も閉じかけるが、ハヤシは膝頭を押さえつけてM字を保つ。
固定された脚に力が入るが綿ロープが食い込むだけ。
逃げ場を失った力が腰を浮かせて、逆に電マを迎えに行ってしまう。
のけぞる上体にあわせて強すぎず弱すぎずのタッチで電マを押し当てるハヤシ。
0194名無し調教中。2009/07/13(月) 23:22:25ID:WFgVx1z9

「あーっあっあっあっあっ」
 
電マの快感に抵抗することを諦めたさゆは、寸前まで登り詰めていた。
だが、注意深く声のピッチを聞いていたハヤシ。簡単にイクことを許さない。
もう少しで最後の段階に、というところで電マを離し、ローターを止めた。
肩で息をするさゆ。もうすこしのところで快感の肩すかしを食らって心が混乱する。
その間にハヤシは部屋を見渡していた。
そして何かを見つけたのか、戸棚から何かを持ってきた。
 
「ご褒美で気持ち良くなっていいとは言ったが、声を出せとは言ってない」 
「はぃ」
 
息も絶え絶えに答えるさゆの目の前に差し出されたのは、小さなスプーンだった。
0195名無し調教中。2009/07/14(火) 00:16:33ID:xsVkagBD
 
「口でくわえていろ。いくら気持ち良くなっても、イッてもかまわないが、
 このスプーンを落としたら今度はお仕置きだ。」
「そんなぁ」
「返事も出来ないのかこのメスブタ」
「…はぃ、わかりましたハヤシ様」
 
さゆがくわえようとした瞬間、ハヤシはスプーンを180度回転させ柄の方を出した。
しかも、ハヤシの手から出ている長さは1cmほど。唇だけでくわえろということなのだ。
これは無理。絶対に落とす。絶望的になるさゆ。しかし、諦めて唇でスプーンをくわえた。
ハヤシは手で持ったり拾ったりしないようにと、自分の脚をつかませた。
これで準備完了。ハヤシは電マとローターのリモコンを手にとって、スイッチを入れた。
0196名無し調教中。2009/07/14(火) 00:18:38ID:xsVkagBD
「んんんんんんんーっ」
 
寸止めを食らっていた分、すぐに高まっていくさゆのカラダ。
スプーンを落とさないよう気持ちは強く持っているが、容赦なくカラダに引っ張られていく。
上を向いて深くくわえようとするが、こんな状況でそんな繊細なことは出来ない。
電マがさらに強く押しつけられる。
思わず首を振ってしまい、スプーンが滑って落ちそうになる。 
 
「我慢することはない。素直に気持ちよくなりなさい」
「んっんんんんんんーっ」
0197名無し調教中。2009/07/14(火) 00:20:43ID:xsVkagBD
 
ここぞとばかりにハヤシは指を挿入する。
二本の指でローターを奥に押しつけ、中を刷り上げ、かきまわす。
ピチャピチャと水の音が聞こえるが、それがローションが投入されたのか、
それとも自身から染み出たものか判別ができないほど登り詰めていた。
口が開けなくて息が苦しい。頭の中が白くなる。
先ほど止められたポイントは過ぎて、最後の直線に入っているのに、
くわえたスプーンがブレーキとなって最後のひと伸びがなかなか達しない。
ハヤシの指が複雑な動きから、単調でピッチの速いものになる。
さゆのカラダがのけぞる。もう限界だ。
 
「んんんんんんんー!!!」
0198名無し調教中。2009/07/14(火) 00:26:30ID:xsVkagBD
 
我慢していたなにかが解き放たれて、全身が快感に包まれる。
そしてイった直後の倦怠感がゆっくりと襲ってくる。まるで身体が浮いているよう。
体中がしっとりと汗をかいていた。
張り付く髪の毛が気になるが、カラダの力が抜けていて直せない。
ハヤシが隣に座り肩をそっと抱いた。ぬくもりが心地よい。胸に顔をもたれるさゆ。
 
「よく頑張ったね。かわいいよさゆ」
 
髪をやさしく撫でられて、徐々に気持ちが落ち着いてくる。
 
「さてと、どんなお仕置きがいいかな」
 
ハヤシの言葉にハッとするさゆ。
床の上には、鈍く光るスプーンが転がっていた。
0199名無し調教中。2009/07/14(火) 00:47:14ID:xsVkagBD
日付変わっちゃったけど、今日は道重さゆみの誕生日だったのですね
ついに20歳だそうで、おめでとうです。
風俗店ではその2年前から働けるんだけどw
 
まだ続きます
0200名無し調教中。2009/07/16(木) 01:12:44ID:cwrF4+gs


 
「今日も良かったよ、ありがとう。大丈夫だった?」
 
先にシャワーを上がっていたハヤシが、バスタオルを巻いて出てきたさゆに声をかける。

「はい、大丈夫です」

胸をさすって気にしながらも、ハッキリと答えた。
二人ともスイッチは切れ、プレイ前の普通の状態に戻っていた。
さゆは手早く下着や衣服を身に付けると、片づけを始めた。
手を動かしながら、話しかける。
 
「最近はどうですか?また東京とか行ってるんですか」
「以前ほどじゃないよ」
 
地元の企業の社長だか役員だかをしているというハヤシ。
以前は東京のSMクラブに頻繁に通っていたというが、今は落ち着いている。
地元のデリバリー専門のSMクラブ、つまりエムズスクエアでたまに嗜む程度だという。
0201名無し調教中。2009/07/16(木) 01:14:18ID:cwrF4+gs
 
「この前に行ったのは品川の新しくできたところ、プレイだけでなくショーとかもやる」
「美勇殿。やっぱり行ってるんじゃないですか」
「そうだ、美勇殿だ。良く知ってるね。
 パーティー形式のイベントの日で、ショーを見ただけだが、良い店だったね。
 そこはオーナーが女王様なんだけど、気配りのきく魅力的な女王様でね。
 もちろんルックスやビジュアルも良いし。プレイも激しさと繊細さがあって良かった」
「梨華女王ですね。知ってますよ。新人の頃、梨華女王からいろいろ教えてもらいました」
「ほう、そうなのか。そんな接点があるとは思わなかった」

SMには多数の道具が必要だ。
ピンクの革トランクに詰め込んで閉めようとするが、中身が多くてなかなか閉まらない。

「ちょっとおっちょこちょいだけど、何事も一生懸命で尊敬してる先輩です。
 まあ、私のほうが可愛いですけど」
「さゆちゃんは自分が世界で一番可愛いと思ってるからねえ」 
 
ハヤシが笑って茶化すが、さゆは至って本気。いつものことなのだが。
0202名無し調教中。2009/07/16(木) 01:15:56ID:cwrF4+gs
 
「じゃあMコースでさゆちゃんを呼べば、梨華女王様直伝の調教が受けられるってこと?」
「そうですね。ゆみ女王を呼べば。他の先輩にも教わってますけど」
「じゃあ今度はゆみ女王様を指名しようかな」
「でもハヤシさんはSだからダメです」
 
なんとかトランクを閉めたが、ローターを入れ忘れていて仕方なくもう一度開ける。
焦るさゆに、ハヤシが落ち着いてと声をかける。
 
「このトランク、梨華先輩から頂いたんですよ。
 私ピンク好きなんですけど、梨華女王もピンクが好きで、
 このピンクのトランクを見て良いなあって言ったら、同じのがあるからって」
「じゃ、おそろいなんだ」
「そうです。いつもこのトランク見て、先輩に負けないように頑張ろうって」
 
トランクを閉じるのにようやく成功。最後にもう一度忘れ物を確認。
その間に準備を済ませたハヤシがホテルの精算をすると、ドアのロックが解除される。
 
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ楽しかったよ。またよろしくね、さゆちゃん」

最後に握手をして、部屋を出た。
0203名無し調教中。2009/07/16(木) 23:59:22ID:cwrF4+gs

待機所の玄関のドアを開けた瞬間、目に飛び込んできたのはピンクのハイヒールだった。
さゆみの持つ革トランクと同じトーンの、鮮やかなピンク。
こんなヒールを履くのは一人しかいない。急いで待機室に向かう。
 
「石川先輩!」
「おかえり、さゆ。元気にしてた?」

耳に残る特徴的な高い声に色黒な肌。服装こそシックだが、ネイルはピンク。
紛れもない石川梨華が、そこにいた。
話が出た直後の再会にさゆみは驚くばかりだった。
 
「どうしたんですか、急に」
「昔の職場に顔を出しちゃまずい?」
「そんなことないですけど」
 
そう、梨華はここエムズスクエアにかつて在籍していたのだ。
入店当時はM嬢だったが、M性感そして女王として人気が急上昇。
評判は方々に伝わり、県外からも頻繁に来店するお客さんが出るほどに。
二年ほど前に円満退店して独立、都内にSMクラブ”美勇殿”を立ち上げたのだった。
円満退店なので関係も友好なまま。こんなふうにたまに顔を出すこともあるのだ。
0204名無し調教中。2009/07/16(木) 23:59:58ID:cwrF4+gs
 
「今日お店のほうは?」
「絵梨香と唯ちゃんに任せてきちゃった」
 
なにか違和感を感じるさゆみに対して、ペロッと舌を出しておどける梨華。
しかし、さゆみの疑惑はそれで余計に深まる。
でも、とさらに言いかけたとき、れいなと絵里が戻ってきた。
さゆみだけでなく、れいなと絵里にとっても梨華は頼りになる先輩か、それ以上。
エムズスクエアからスタートして自分の店舗を持った梨華はあこがれの存在なのだ。
たちまち囲まれて質問と思い出話が始まる。
そこにつきあいの長い愛と里沙も帰ってきて、本当に止まらなくなる。
0205名無し調教中。2009/07/17(金) 00:04:32ID:jgaxPoQ7
 
お店の営業時間が終了して、そのままファミレスになだれ込む一行。
梨華もホテルを予約しているので、時間を気にせず話が弾む。
他人の目があるファミレスなので、表現に気を使いながら。
 
さゆみもその会話に加わっていたが、どうしても確認したい事があった。
トイレに立った梨華を追いかけて、待ち伏せする。
個室から出てきた梨華はさゆみを見て一瞬驚いた表情をするが、そのまま通り過ぎた。
洗面台に向かい、手を洗い鏡でメイクを確認する梨華がゆっくりと口を開く。
 
「し、しないよ」
「知ってます。でもそれじゃなくて、なにか隠してませんか」
「別に」
「金曜日にお店にいないなんて、いつもの石川先輩じゃありませんよ」
 
小さいため息をついて顔をあげる梨華。後ろに立つさゆみと鏡越しに目が合う。
 
「さゆには隠し事出来ないなあ」
「一緒にプレイしましたもん。石川先輩のことはよくわかりますよ」
 
少しの沈黙のあと、梨華はもう一度ため息をつく。
 
「美勇殿、やめようと思ってるんだ」
0206名無し調教中。2009/07/17(金) 00:25:44ID:jgaxPoQ7
 
「お金ですか?」
 
さゆみはまったく驚かなかった。むしろ妙に冷静で現実的。
そう、さゆはこういう子だったな、と梨華は苦笑する。
 
「そうじゃないよ。お金じゃなくて、私の問題。
 スタッフはみんな頑張ってるし、良いお客さんも多くて、それはうれしいんだけど、
 なんか、疲れちゃったんだよね。オーナーと女王様をやっていくのが」
 
水を出して、もう一度手を洗う梨華。水の跳ねる音が響く。
 
「やめればいいと思いますよ」
「えっ?」
「辛いなら、お店やめて身軽になればいいじゃないですか。
 楽しいから頑張れるんですよ。また普通の女王から始めたらいいんです」
0207名無し調教中。2009/07/17(金) 00:27:27ID:jgaxPoQ7
 
さゆみの言葉で梨華の表情が少し明るくなる。
特別なことを言ったわけではない。むしろ梨華がなんとなく思っていたことだ。
いや、ほとんど決めていのかもしれない。
欲していたのは、誰かに後押ししてもらうこと。そうすれば、初めの一歩を踏み出せる。
  
「そっか、そうだよねえ。なんか難しく考えてたな」
「大丈夫ですよ何とかなりますって。ダメなら戻ってきてくださいよ」
「そうね、私の戻ってくる場所はここにあるのかもね」

二人は笑いながら元の席に向かう。もう、いつもの石川梨華に戻っていた。
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