以下、世間で(あるいは女王様が)誤解していると思うこと。

1.「マゾヒストの相手はサディスティン」(これは間違い)
確かに、空想の中での相手は冷酷無慈悲な真性サディスティン。
といっても、そのサディスティンは自分の思うとおりに動くからね(ここがポイント)。
しかし、現実の場面では、真性サディスティンの「ほんとの欲求」とマゾヒストの欲求が
その範疇や程度(レベル)において合致することはほとんどないといってもよい。

ある高名なマゾヒストが「マゾヒストの最良のパートナーはマゾヒストである」と
書いていたが、そのとおりだと思う。
最初(高校生の頃だったかな)は「?」だったが、よく考えるとそう。
相手が「完璧に」サディスティンを演じてくれればいいわけである。
もし俺の相手の女がマゾヒストであり、そして俺にその女への愛情があるならば、
俺はある時はサディストを「演じる」ことにやぶさかではない。

2.「マゾヒストは女性崇拝者である」(これは間違い)
むしろ、逆。 マゾヒストは実生活では攻撃的な者も多いんじゃないかw
もし崇拝しているなら、それに従う(ある意味支配される)のは「ノーマル」なことである。
ではなくて、いわば自分より下に見ている女に、
支配・強制されることに快感を覚えるから「倒錯」なのである。
あくまで無理やり崇拝させられるということ。

同様に、マゾヒズムが成立するためには、たとえば、
「鞭は痛いもの・打たれたくないもの、黄金・聖水は汚いもの・口にしたくないもの、
奉仕は女がするもの」などなどのいわばノーマルな前提が不可欠。
それを強制されるからマゾヒズム。
聖水が美味なものだという前提に立つなら、それを飲むのはビールを飲むのと同じで、
まったく支配されていることにはならない(他もすべて同じ)。