チャイムが鳴って、体育の時間が終わった。ついた点差は176対4。女子の圧勝だった。
「じゃあ男子、罰ゲームだからね!」
腕中に痣を作って崩れ混む男子。分かっていたが、それでもこうも叩きのめされると、やはり力が
抜ける。
ツカツカと、女子達が歩み寄る。震え上がる男子は、その場を動くことができない。気絶した男子
を含めて、全ての男子のところに彼らを奴隷としている女子達がやってきた。
「歯を食いしばって」
口々に指示され、男子はそれに従う。強く、歯を食いしばった。顎が吹き飛ばされないように。
バシーンッ!バチンッ!バッシーンッ!!
体育館中に、凄まじい張り手の音がこだまする。負けた方はビンタ30発。それを女子が忠実に執行
していた。教師はと言えば、見て見ぬふりでそそくさと体育館を立ち去ろうとしている。
“あの子”のペアの凄惨たる様子は語るまでもないが、他で痛烈だったのは、バレー女王の奈試q
と泰史のペアであった。バレー仕込みのスナップを効かせたビンタを左右に往復で叩き込まれ、泰
史の顔は千切れて飛んでいきそうなほどであった。
「う…うう……」
きっちり30発、ビンタを叩き込まれた男子は頬を真っ赤に腫らして泣いていた。それを見て女子達
はケタケタと笑うと、体育館に付けられた更衣室に引き上げていく。
「あ、そうだ男子、これ洗っといて」
女子達はそう言うと、更衣室に入る前に着ていたTシャツとブルマを脱ぎ捨て、ポイポイと投げつけ
る。まるで恥ずかしがる様子もない。男子に下着姿を見られることなど、何でもないことなのだ。
女子の汗でグッショリと濡れたTシャツとブルマが堆く積み上げられる。この学校には洗濯機が備え
付けられている。そこで自分達の汚れた体操着を洗えと命令しているのだ。
生暖かい、湯気が出てきそうな汚い体操着の山を男子達は仕方なく持ち上げる。その中のブルマが
一枚、ぱさりと落ちた。その大きさに愕然とした。女子のとんでもなく大きいヒップを包み込んで
いたサイズのブルマは、ほっそりとした男子達が身につけても簡単にずり落ちてしまうくらいに大
きかった。
こんなに体格差のある女子に、敵うはずがない。がっかりした男子は、昼休みに行われるであろう
「女子を乗せて学校一周」を思い浮かべ、さらに陰鬱な顔をするのであった。