牛乳パック抱えて戻り玄関前で胸を撫で下ろした。
突如スイッチが入ったり、抜け落ちる心配・・・
そう、あの時はノーパンで歩き、階段の不意な拍子で脱落。
便(脱糞)洩らす以上、硬いプラスチック弾む音が響いていた。
懸命に平静装い振り向けなかった。誰かが、
「落ちましたよ」
と拾ってくれ差し出す様子が瞬時頭に浮かび、より早足になっていた。
「背後人影を探して拾えばいいんだよ。高かったんだ、戻って拾ってこい。」
『よその人から見て、他愛ない空箱のプラスチックケースだよね、これ・・・。』
そそくさビニル袋に包みポケットに放った。
・・・あれに比べれば。あれ当然揉めた、勢いで受け入れた自分もxxx(てへぇ)だ。
逆キれかな、自制は必要、開き直れる程自立も覚悟も無く家族を突き放つ度胸すら無い。
「このドマゾのくせして!」「馬鹿!非常識!」
いつもの様、罵りあいで猫のタイマン、いや、ジャレ合って、突飛なのは避ける事にした。
だってATMでは洒落にならないよ。
ベルを鳴らす。
『きた!』
お尻で暴れ始める、半ば必死に
「あ、あ・け・て、ミルク買ったよぅっっっ」
手回すと排泄我慢してるみたいだ、握り締めお腹にまわす。
「もう一回」
「うぅっ、開けて・く・だ・さ・い。ミミッルク・・・です、です。」
玄関は開き、靴は脱げずその場に崩れ落ちた。