>>769 続き     
  法廷という場には不似合いな全裸という屈辱的な姿ではあったが、
  ギリシア彫刻のようなアンドレイの鍛えられた筋肉質の体は、
  男が見てもほれぼれとするものだった。
  わざとオイルで磨き上げられ、肌もつやつやとしていた。
    
  何よりも法廷にいる女たちが赤面したのは、アンドレイの立派な股間であった。
  全裸という屈辱にもめげず、縮こまることもなく、
  まるで天狗の鼻のように、起立していた。
  普通の男よりは二回りも三回りも長さも太さも大きかった。
    
  実は、股間に塗りつけられたオイルだけ催淫剤が含まれており、
  アンドレイの意思とは無関係に勃起してしまう。
  四六時中勃起させることで、アンドレイの体力をじわじわと奪う。
  寝ている時にも立ちっぱなしで、奴隷としての訓練を受けているよりも体力を使う。

  裁判官のひとりが顔を赤らめながら全裸の理由を聞くと、弁護人は説明した。
 「少々お見苦しい点はお許しください。
  決して法廷を侮辱するつもりはありません。
  被告アンドレイのおかれた今の立場を示すためであります。
  アンドレイは奴隷以下の奴隷、
  着る物さえ与えられない一糸まとわぬ奴隷に落ちたことを自他ともに示すためであります」