続き
「久しぶりだな、アンドレイ」
アンドレイは、司令官に呼ばれた。
司令官とは、ナルシス国の親衛隊の時代に司令官と副司令官の間柄である。
司令官の座を争った中でもあり、アンドレイが勝って司令官を務めていたのだ。
「性処理奴隷の毎日はどうだ。
元部下に体を使われる気分はどうだ」
「………」
「まあ、堪えられない屈辱の毎日だろうな。
しかしその屈辱も終わりが来るかもしれんぞ」
「えっ!」
「実は、噂を聞いているが、俺はメイサ王女に気に入られてな。
結婚することになった」
「それは、おめでとう」
「性格には難があるが、
王女とあれば、今後の俺の待遇や隊員の処遇も良くなるかもしれんからな」
もちろん、アンドレイもお前の処遇もだ。
まあ、いきなり元の身分に戻すと言わけにはいかんもしれんが、
せめて奴隷の身分から解放するぐらいはな。
王女成婚の恩赦というわけだ。
結婚相手の俺の願いぐらいきいてくれるだろう」
「それはありがとうございます」
「 で、奴隷として最後のご奉公として、王女と俺の乗る馬車を人間馬として引いてもらう」
「わ、わかりました」