上履きは、洗わないのが基本。
 踏み潰し方にもいろいろある。
 初級は、かかとを踏んでいるだけ。これでは制服検査があれば、すぐにまじめに履きなおせる。

 中級は、まじめにかかとを立てて履いたことがないから、ぴったりと密着してしまっている。
 二度と立ち上がれない。汚れも中敷の汚れと一体的だ。

 上級は、さらに小細工が加わる。
 これは、人それぞれだ。
 つま先に、名前を油性マジックで大きく書く人。
 前ゴムをむしり取ってしまう人。
 かかとの内側の補強材を剥ぎ取ってしまう人。
 甲バンドを全部取ってしまうか、片足だけ、もしくは、甲バンドの2点とめているうち1点だけをむしり取ってしまう人。

 全部やればいいのでもない。
 同じことをやっていても、人それぞれでセンスが全然違う。

 ちょっと控えめな子が過激な小細工している上履きを見て、ハッとする。