ついにやってきた6年生の包茎検査だ。
 この6年生の検査は俗に小卒検と呼ばれている。
 ここで包茎奴隷制度に定められる"勃起時8cm"を越えない者は1年留年となってしまう。
 小卒検は学校の一大行事だ。5年生以下の男子生徒は保健室で検査が行われるが、6年生は体育館で整列しての一斉検査となる。
 女子生徒や来校した父兄の目の前で厳正な検査が行われるのだ。

 名簿順に整列する為、また俺は榊原のすぐ隣に立って検査を受けることになった。
「はい。ではパンツを下ろして」
 先生がそう言うと男子生徒達は一気にその陰茎を露出させる。中には恥ずかしがる者もいるが、後で先生に怒られる為、全員堂々とパンツを下ろす。
 ふと視線を動かすと悠太のペニスが目に入る。だらん、と存在感を持って垂れ下がるそれは、亀頭も成長したたくましい露茎だった。
 それに比べ翔は……
 ちょこん、と股間に申し訳程度についている様な情けないペニス。悠太の様な立派な亀頭など当然なく、先細りの真性包茎だ。
 だがあくまで小卒検はサイズの検査なのだ!(露茎でなければ、セックスは認められないが)
 まだ翔にもチャンスはある。

「えっと、翔くん…まだ8cm合格してないんだよね……」
「だからなんだよ?」
「…頑張ってね……きっと大丈夫だよ」
 ひそひそと2人が喋る。
 悠太は嫌味ではなく本気で応援しているが、翔にとってはそれはただの嫌味にしか聞こえない。「うるせーよ」と悠太を睨みつけたら、悠太は怯えた様に視線を逸らした。
 クラス内の力関係は逆転したが、まだ翔は悠太をいじめていた。
 そのせいでクラスでも孤立しつつあるのだが、悠太に劣っていると言うことがどうしても気に入らなかった。

 そうこうしている間に包茎検査が始まった。正面に設置されたスクリーンに下着姿の女性が投影される。
 ほとんどの男子生徒はこの包茎検査の為に禁欲をする。少しでも勃起時の陰茎を大きくする為にだ。翔も頑張って1週間のオナ禁をしてきた。
 そのお陰で、ほとんどの男子生徒は一斉に勃起した。まるでタイミングでも計った様に、勃起する姿に女子生徒の中からくすくすと笑い声が漏れる。