四十
     
「もしかすると、涼香って、バージンなんじゃないの?」
「まさか、三十過ぎたおばさんが……」
「ねえ、どうなの?」
 聞かれた涼香はみるみる顔が真っ赤になった。
 それだけではない。股間にも異変が現われたのだ。
「先輩、さっきから涼香の股間が何だか湿ってきました」
「えっ、感じちゃってるの?」
「愛撫したつもりのはないんですけど」
 そう、あまりの屈辱に涼香の股間は、
 自身の意志とは裏腹に反応してしまったのである。
「ふーん、恥ずかしいと股間が勝手に感じてくるのか。
 マゾっ気たっぷりね」
「じゃあ、営業に同行して水着姿を披露する時、感じて漏らしちゃうかも」
「同じ水着が何着かいるし、タオルも濡れたのと乾いたのとたくさん用意しておかなきゃ」
「とりあえず、この場は、濡れたタオルで抜いた後、乾いたので湿気をとって」
「はい」
 股間の涙を拭かれながら、ただただ恐縮する涼香。
 その表情、仕草には、もはやキャリアウーマンの面影は失せていた。