2話
初めは、祭りで巫女さんが出来ると、はしゃいでいました。ですが・・・。その時、家の軒先の所で、母が暗澹たる表情で村長さんと話していた事をかすかに覚えています。
確か母は、「どうにかなりませんか?」そう村長さんに訴えかけていたみたいです。
村長さんも「貴女の娘さんは・・・。 祭り・・・、儀式。古来の仕来り・・・。巫女を出すのは・・・。この村の・・・久木家の役目」
村長さんの声は、よく聞こえなかったしあまり気にしていなかったので良く覚えていません。ただ母が「よろしくお願いします。」と力のない言葉があったのだけは覚えています。