薄暗い部屋の中に三人の女性と一人の男がいた。男はしっかりとベッドに固定されており、三人の女性は死刑執行人以外は着ることの許されない特別な制服を着ていた。
 彼女達の仕事は死刑の執行。
といってもこの国において死刑が適応されるのは男のみである。
その主な理由として男による犯罪の凶悪性、そしてなによりこの国における絶対的な女性優位がある。
そしておそるべきは死刑の執行法にある。
この国では立法、行政、司法など重要な官職には女性しかなることができず、死刑制度が決定されたとき男にとって身の毛もよだつような恐怖の死刑の方法が取られたのである。
「男に対する死刑執行に関する法律」
 男に対して死刑を執行する場合には痛覚の増強作用を有する薬剤を投与した後、睾丸を潰し、それによる苦痛によって罪の重さを自覚させ、また睾丸を潰すことによって起こるショック死によって死刑とするものである。
 また、大抵の男は一つ目の睾丸を潰すことによってショック死に至るが、それでも死に至らない場合はもう一つの睾丸を潰す。
薬の作用も影響して二つとも睾丸を潰された場合に男が生き残る確立は0%となる。