>>358
 首かせには、同じさらし刑である足かせにはない、血なまぐさく陰惨なイメージがつきまとっている。
首かせの残虐性の一つは、ウィリアム・プリンが味わったように、顔への焼き印や、耳や鼻の切断といった残酷な体刑を伴うことが少なくなかったことである。
被告の耳や鼻の切断を判決に付け加えることを好んだ絶対王政下の星室裁判所は言うに及ばず、切断刑をわざわざ明示的に科している法律もあった。
たとえば、1623年に制定された破産法は、横行していた詐欺の防止という立法目的から、破産手続を妨害するために財産隠匿をはかった債務者を公共の場で2時間首かせ台にかけた後、片耳を釘で台に打ち付けてなるべく頭部に近い位置で切り落とすよう命じていた。
ちなみに、耳や鼻はなるべく根本で切り落とし、頬への焼き印は髪やヒゲで隠せないようなるべく鼻寄りに押す、というのが基本である