転校した圭子は祖父母の家から通学する事になった。通学は過酷を極めた。郊外にある祖父母の家からは、
JR線→私鉄線→都営地下鉄線と乗り継いで通学しなければいけなかった。田舎でのどかに自転車通学をして
いた圭子には厳しいものとなった。
しかし、父親の両親である祖父母は圭子が来た事を喜んだ。現在の父親の苦境と圭子の気持ちを知っての事も
あるが、祖父母も圭子の絵の才能を高く評価していた。
祖父などは「この子は神の子だ」「トンビがタカを生んだ」などと父親の前で言っていたため、圭子の父親も
閉口していた。