>>180

「この辺にしておきましょうか?何かご質問はありますか?」

園長のワンツーマンの指導は、お昼まで続いた。しかし、途中にティータイムもあり、美希はあまり時間を感じていなかった。
むしろ、今まで娘のためにと思っていた寝る前のオシメの着用やトイレトレーニングを伸ばしてきたことが、実は自分が面倒を避けていただけなのだと痛感し、反省の連続で、時間が経っていたことに気がつかなかった具合である。

時計の針は11:30を回ったところだった。

「いいえ、大丈夫です。ありがとうございました。」
「さて、午後からはいよいよ体験の時間です。実際の指導を2歳児クラスで体験していただきます。ですが、このあとは、お昼の時間ですので、私も食事のお手伝いに行かなければいけません。
美希さんには、この部屋でお昼ご飯をたべていてもらいましょう。」

そういえば。美希は昼ごはんのことはまったく考えていなかった。

「すっかり忘れていました。用意していただきありがとうございます。」

「でもその前に」園長は机の横に置いた紙袋からビニールに包まれたものをいくつか取り出し、机の上に並べた。
「これに着替えていただきましょうか。」

美希の前に並べられたビニールの袋を見て、困惑した。

「こ、これを私が着るのですか?」