>>324

 そうして腰元はといえば赤色のスカートが何とか入りはしたものの、これも長さが足りず殆ど下着
 を隠す用をなしていない。

 スカートの下に見えるパンツは、恥ずかしいなどというものではなかった。

 誇りにすら思っていたお尻は、ウサギの絵がついた幼いパンツに包み込まれ、もはや大人として

 の尊厳すら保てそうにない。

 今まで誇りをもってきたプロポーションが、今こうして園児服を包んだ今となっては、何もかも羞恥
 の道具になってしまう。

 恥ずかしさに耐えきれず身体をもぞつかせる美希の前に、丁度全身が見渡せるような鏡を園長

 がもってきていた。

「良く似合ってますよ、美希ちゃん。今日は2歳児クラスの園児として、楽しんで行ってください♪」

 全身鏡の中に映った自分の姿を見て、美希の赤かった頬が余計に火照っていく。

 園児服を身に着け、胸元には「みき」とかかれた名札、頭には園児用の黄色帽子。

 そんな惨めで恥ずかしい恰好をした人間が、鏡に映っている。それが自分だとはどうしても美希

 には認められなかった。

 何時もキャリアウーマンとしてスーツに身を包んでいる自分が、どこか遠いものに思えてくる。

 園長が少し楽し気な雰囲気すら見せているのを気にしながらも、美希は用意された昼食を一人、
 何も考えぬようにして口にした。