「ごめんなさい、ごめんなさい!許してください!」
「ダーメ。」
くすくすと笑いながら、遥香は少年の両手を封じた拘束具を天井から垂れたフックに引っ掛ける。
小学生ながら腕に覚えのある少年なら、本気で抗えば抵抗できるはずだった。が、遥香相手には力が入らない。
易々とぶら下げられる。
「お願いします!鞭だけは、鞭だけは止めてください!」
「あら、リクエストは鞭なの?リョーカイ。」
魔女の声は嬉しげだった。
手元のサイドテーブルから鞭を取り出すと、わざと音を立たせて振ってみる。
「止めて…止めてえ!」
吊り下げられた目隠しの少年は震えながら悲鳴をあげた。
「…ん〜?キミはお姉ちゃんを守ってくれるんでしょ?そんな弱虫なこと言っててお姉ちゃんを守れるの?」
遥香に言われ、少年は口を閉ざした。
その様子に満足げな笑顔を浮かべた若い魔女は、濡れた下着を取り上げるた。
「はい、あーん。」
魔女に促され、開けた少年の口に下着を押し込むと、今度はガムテープで口を封じた。
「ああ、そうだ。」
思い出したように魔女が言う。
「護身用にスタンガン買ったんだよね。鞭はイヤなんでしょ?これに変えてあげるね?…ちょうど試してみたかったんだあ。」
遥香は明るく言い、鞭の代わりにスタンガンを取り上げるとスイッチを入れた。
青い光が走り、パチパチと音がした。
全裸で吊り下げられた目隠しの少年が、おこりにかかったように震える。
泣いているのか、鼻水で息が苦しそうだが口はガムテープで止められていて、他に息のしようもなかった。
哀れな小学生の男の子のもとへ、女子高生はスタンガンを鳴らせながらゆっくりと近づいていく。
鮮やかな笑顔だった。



という訳で、以上が導入部分というか、プロローグにあたります。章として名付けるなら「義姉と弟」かな?
なかなか書けない状況なので、つづきは時間がかかるかと。
そう考えるとこれだけの方が良いのでしょうかね?