「ああ、イイです、イイ…!」
美少年奴隷が快感に堪えかねて悦びの声が漏れ、美少女奴隷を悦ばせる。
奴隷二人の関係は少しずつ、確実に変わっていた。
特に、少女奴隷をメチャクチャに嬲った男たちに少年奴隷が報復した件は、少女奴隷の心を大きく惹き付けたようだった。
ツガイ二人の息が昂っていくのを楽しげに眺めながら、遥香はそれを思い出して苦笑する。
奴隷の心も体も主人のものである。
従って、喧嘩なんかで勝手に怪我をしたなら懲罰ものだ。
それでも、と美少年奴隷はお願いしてきた。よほど腹に据えかねたらしい。
「大人相手の喧嘩だろうと怪我をしたら鞭」とムチャな条件を付け、遥香はその喧嘩をセッティングした。
倉庫で行われるそれを、淑女たちの私室以外には入っている監視カメラを使い、遥香は鑑賞することにした。
少女奴隷と一緒に。
開口一番、「あのコに謝れ!」と少年奴隷が言い出したのは遥香も男たちも笑ったが、少女奴隷だけは眼を潤わせた。巧妙に闘いをリードしようとするが叶わず、ボロボロになりながら喧嘩する少年の姿。それを見ながら少女奴隷は涙を堪え、口と鼻を手で多い震えながら見守った。
体格も人数も違う喧嘩の結果は明白だった。
とはいえ淑女の私物たる奴隷を勝手に大怪我させるわけにもいかず。かといって手加減した攻撃では、何度叩かれても投げられても立ち上がって掛かってこようとする少年を止められず…。
ほとほと困り果てた男たちは諦めることにした。
「…悪かったよ。」ボソリと男の一人が呟いた。
「…俺にじゃない、彼女に謝れ…」ボロボロの少年奴隷がなんとか声にする。
男たちが苦笑した。
男たちは監視カメラを見上げた。
「見てんだろ?お嬢ちゃん!俺たちが悪かった!すまん!」
大の男二人が頭を下げた。
もはや涙を堪えきれず、少女奴隷はペタンと床に泣き伏せた。
大怪我ではないが怪我をしたのだから約束の鞭打ちを…と遥香が鞭を取り出した時、少女奴隷が「私が代わりに鞭をお受けします!」と言い出した時を思い出し、遥香は口角を上げる。
約束は約束、として少年奴隷に実行し、「ごめんね、ごめんね…」と呟きながら泣き崩れる少女奴隷を眺めるのは面白かった…。
あれから急激に変わったのかも知れない。