0772名無し調教中。
2016/11/07(月) 23:29:45.71「オロナインH軟膏」の効き目の本体、グルコン酸クロルヘキシジンの作用について少しだけ解説しておきます。
グルコン酸クロルヘキシジンは、殺菌作用の本体であるクロルヘキシジンをグルコン酸塩とする事によって
水溶性としたものです。皮膚に対する刺激が少なく、臭いがほとんどない殺菌剤です。
皮膚に残って持続的な抗菌作用を現すため、皮膚における持続効果が期待される場合、例えば手術時の
手洗い、手術部位の皮膚、創傷部位、血管カテーテル挿入部位などに優れた特性を発揮します。
ただし、日本では、結膜嚢以外の粘膜への適用は禁忌とされており、また結膜嚢の洗浄後も滅菌精製水
での洗浄が必要とされています。
これは、ショック、発疹・蕁麻疹などの過敏症が現れる事があるためで、このような場合は直ちに
使用を中止し適切な処置を行う必要があります。
グルコン酸クロルヘキシジンは、低濃度の場合と高濃度の場合とでは作用機序(効き方)が異なります。
低濃度=100mg/L未満(0.01w/v%)で静菌的に作用します。即ち、細菌表面のリン酸基部位に吸着
細胞壁を透過し、細胞膜透過性を障害します。
その後、カリウムイオンのような低分子成分の漏出を引き起こし、ATPaseのような膜結合酵素を阻害します。
一方、高濃度=100〜500mg/L(0.01〜0.05w/v%)では殺菌的に作用します。即ち、細胞内に急速に侵入し
ATPや核酸を凝固し沈殿させるとされています。