女子刑務所の朝(妄想)
「起床ぅー!」
静まりかえっていた房の中に刑務官の甲高い声が響きわたります。
刑務所では就寝時間が早いのでそれよりも前にみんなが目覚めています。万一寝ていても先生のこれでもかというくらいの迫力ある声で飛び起きます。
刑務所に来て驚いたのが刑務官の先生の号令とそれに答える受刑服の声です。いかにも厳しそうな雰囲気で叫びます。体育会系なら普通なのかも知れませんが、私はその雰囲気に圧倒されえらい所に来てしまったと思ったものです。

飛び起きた受刑者達は素早く布団を畳み受刑服に着替えます。
同時に2人の刑務官が素早く一部屋ずつ鍵を開けていきます。
「階上点検用ぉーい!」
この号令が掛かると正座をして点呼をまちます。
「1室番号!」
「1!2 !3 !4 !5 !6 !7 !8!」
「2室番号!」

それから僅か15分で着替えと掃除と洗顔などを済ませなければならないのです。
この時間は嫌でした。もっと起床時間を早くしてゆっくり準備をさせてほしいと思っていました。
「出寮用意いー!」
この号令が掛かれば顔を洗えていなくても髪を満足に整えられていなくても房から出て整列しなければなりません。
「右向け右ィ!、前へ進め!」