そもそも空想的な奴隷契約ならご主人様は奴隷の生殺与奪の権理を持つはずで、この契約書にあるご主人様は奴隷の心身の管理義務を負うような契約はそぐわない。

この契約はご主人様に奴隷の心身の管理義務を負わせ、奴隷にご主人様のために存在する義務を負わせるというのが基本的な構造なので、ご主人様、奴隷共々一定の行動制約が伴う。

もちろん両者が両者の意志を理解して、その結果についても充分承知しているという状況下ではこの契約書が規定する構造の元でも何でもできるということになるが、そもそもその状況ではたいていの契約でもなんでもできるわけで、契約による拘束力は一切ないことになる。

書いた人は奴隷と仲良くしたい、奴隷のことを大切にしたいという思いがあるんだろうけど、その思いはご主人様と奴隷という一方が他方の生殺与奪の全てをもつという関係とは相容れないものなので、こんな甘々な契約書になる。