(思わず心の声が漏れそうになり口をつむぐ。
友達としか俺を見ていないしおりの表情にどこか苛立ちを覚えながら…)
…て、おい、そんな格好したら膝が濡……
(スカートから伸びた足首から、膝、太股…タイトスカートに包まれた小ぶりなヒップに、抱きしめたら折れてしまいそうなほど華奢なくびれ…。白いシャツは肌の色に染まり、ライトグリーンのレースがその肌をいっそう生々しいものにさせている)
(雨も上がった生暖かい夜の風が漂う中で、夜とはいえ月明かりに照らされたしおりの身体に目を奪われ立ち竦み…、
憧れの女の身体に釘付けになる)
(もうずっと抱きたいと思っている身体が、びしょ濡れのまま地面を這いつくばり、それはまるで俺を誘っているかのようで…
ドクンドクンと脈打つ鼓動が、有らぬことばかりを俺に連想させる……)
(思わずその腰に手が伸びそうになったとき…しおりと目が合う)
(ハッと我に反ったように)
お茶? ほ、ほんと?
じゃあ、絶対に探さないとな
って、ダメだ、
しおりはいいから、俺が探す
(ポケットにし舞い込んだ鍵を手の中に握り直し)
『鍵を見付けた振りをしよう…』
(そのままジャンパーを脱ぎしおりの肩に掛けてやると肩を抱くように立たせ、しおりに背中を向けてしゃがみ込む)
(水溜まりの中を探る振りをして、)
あ、あったよ、あったよしおり!
この鍵だろ?