ほら、元気出しなさいよっ。
ね?
(押さえた柔らかい電灯がいつもは居心地の良いBAR。そのカウンターの端の方に二人は座っている)
彼方くんが真面目にやってるのは、よーく分ってるよ?
(機嫌をとるように、わざと明るい声で隣でシュンとする部下の顔を覗き込む)
(――そう、彼は真面目なのだが、女性の多い職場で同期や後輩の女子社員が活き活きと仕事をしている)
(そのせいもあって、真面目にやっているのになかなか目立たなく、たまのミスの方が目立っている彼の事を歯がゆく思う事もある)

ふぅ…。
私もさ、ついつい…言葉が過ぎたって…いうか…あの…
(カウンターに置かれた細身のグラスに注がれているビールを煽って、沸き上がる思いを飲み込むと、)
(少し――部下と上司の距離を作りながら彼方くんの背中をポン!と叩く)
(就業中に叱ったミスのフォローのつもりで誘ったのに、なかなか顔を上げない彼方くんを見つめている)


(遅くなってすみませんでした。改めまして宜しくおねがいします。)
(最初なので、彼方さんの事も確定的に書いてしまってすみません)