(控えめなボリュームで店内にピアノJAZZが流れている。)
ごめんなさい、課長。オレ、いつもドジばっかりで・・・
(彼が勤めるのは女性用下着をメインに扱うメーカー)
(不況で仕事を選べないとはいえ、慣れない職場で彼は悪戦苦闘していた)
(そんな彼に親身になって相談に乗ってくれたのは、)
(目の前にいる美人の女性課長だった・・・)
こんなんじゃ、課長にも愛想つかせれちゃいますよね。
でも・・・オレ・・・
("愛佳さんに認められるような男になりたいんです。")
(気持ちを抑えるように、目の前のビールを一気に流し込む)
(そんな時不意にポン!っと)
(そんな気持ちを知ってか知らずか、力づけるように背中を押される)
(背中を押された彼は――)
(そっと彼女の太ももの上に手を沿え、彼女の方を向く)
(そして、その可愛すぎる課長と視線を絡ませながら―――)
――オレ、どうしたらいいですか?
(BARのカウンターで素直になれない二人。間には空いたグラスが寂しく光っていた)