亜矢さんと借ります。

>>79
いや、亜矢は家にいなさい。私が出勤前に交番に寄っていこう。
用心に越したことはない。
ああ、先に休みなさい。おやすみ。
(PCの画面に大きく映し出されたベッドでの亜矢の顔…まるで表情のない人形のような顔)
(フッと深溜息を吐きさる出会い系のサイトに入力した数字のとアルファベットの組み合わせ)
(その下の「登録」のボタンにカーソルを置いていた)


私だ。変わったことはないか?ん?大丈夫。昼食で外にいるから…
今朝、交番に寄ってきた。亜矢の携帯番号を知っていたが…
そうか、私が帰る前にもそんなことがあったのか。
念のためということで亜矢のアドレスも教えておいた。勿論私のも。
警官の話だと、おそらく次のステップとして亜矢の携帯に着信があるだろうと言っていた。
電話に出なくてもいいが、着信拒否だけはしないようにと。
着信履歴も残しておくようにと言っていた。
それから…番号もアドレスも私と一緒になる前から今まで変更してなかったよな?
知ってる人間はそれなりの数になる、か…
大丈夫か?今日は早めに帰る。暫くは外出を控えた方がいいだろう。
何か欲しい物があるなら後で携帯にメールしなさい。
これから会議だからもう切るが、いいね何かあったらすぐに連絡しなさい。

(いつもは部下と一緒に社食で昼食を摂るが、今日に限り外で簡単な食事を済ませていた)
(交番の警官…亜矢の携帯を知っていた…メールアドレスまで今後の為といいながら…)
(番号もアドレスも変えてない…あの男からいつ連絡があってもいいように、まさかそんな事…)

「奥さん…いい身体してるね」「満たされないんでしょ?慰めて欲しいんでしょ?」「いくら?」
「どこで会える?」「オナニーの写真見せてよ?」
(ギラギラとした目付きでPCの出会いサイトを見つめる男…そこには顔にぼかしがあり新規登録された人妻)
(名前は……「亜矢」……)