そうだな。それで亜矢が安心出来るならそうしなさい。くれぐれもご両親に心配をかけないように…
交番の警官に携帯を替えたことを伝えてある。念のため番号とアドレスも教えてある。
何かあったらすぐに連絡すること、いいね?
あの警官は今日は休みだそうだ。他の警官が巡回はするそうだが…
これは言わないでおこうとも思ったんだが…警官からの情報だ。ある出会い系サイトに亜矢が登録されている。
そこを閲覧した男達からの着信だろう。解約して新規契約したから着信は無くなるだろうが…
私も見たが顔にはぼかしがあるから亜矢とは特定できないだろう。
私が見ても事前情報がなければ判らなかった。放っておけばいいだろう。
気になるか?そのサイトのアドレスを送っておこう。不快だろうが相手の手口を知っておくことも大事だ。
(出張に向かう新幹線の車内でノートパソコンを開いて打ち込んだ内容を見返してキーを押した)
「ちっ!解約してやがる」「メールもダメか…」
(出会い系サイトを見つめる男達…そこに登録された「亜矢」の携帯番号とアドレスは変更前のまま)
(何人もの男が興味を無くし次の獲物と、他の女をクリックししてゆく)
「亜矢ちゃんへ」
「携帯、解約したんだね。それなのに何故?って思った?」
「亜矢ちゃんのことなら何でも知ってるよ。渉と同棲してたことも啓輔とはお見合いってこともね」
「渉と結婚したかったんだよね?でも出来なかった…渉の浮気が原因だったよね」
「渉に抱かれた日のことを今でも思い出したりしてるでしょ?」
「啓輔は出張中だよね、交番のお巡りさんは今日は非番だってさ」
「何もしないから安心して、ボクに亜矢ちゃんの下着姿を見せてくれるだけでいいんだ」
「啓輔から聞いた出会い系サイト見たでしょ?」
「ぼかしのない写真と新しい番号とアドレスに替えちゃおっかなー、それってやだよね、困っちゃうよね」
「だから提案。ボクに亜矢ちゃんの下着姿の写真ちょうーだい」
「新しい携帯で最初に撮るのが亜矢ちゃんの下着姿って…こーふんしちゃうなー」
「誰にも見せないから…ボクだけの宝物にするんだ。ね?おねがい」
「えっとね、30分だけ待ってあげる。それ以上は待てないからね」
「30分経っても写真がこなかったら…更新しちゃうよ、ぼかしのない写真にね」