(時間は少し遡り、大名家である尾張家の屋敷の一室)
(満月の明かりが戸の隙間から寝室を照らし、艶やかな肌を白く映していった)
(時は既に丑三つ時を過ぎようという頃だろうか)
(荒い息遣いに水音が寝床から聞こえ、二人の影が絡み合い止まることを知らなず)
(それが男女のまぐわい合う姿であると、もし誰かが見ていたらすぐにでも気付いたことだろう)
おぉ……いいぞさや、ますますもってきつく締め付けてきおるわ。
くくく、剣を振るおうとも所詮はおなご。
男に抱かれるのがよほど良いと見える。
(年を重ね、贔屓目に見ても肥満としか形容出来ぬ腹を揺らしながら、家重が腰を揺さぶり笑う)
(無理矢理に手篭めにした家来の娘に覆い被さりながら、もはや何度その中に精を放ったかすら思い出せず、まだ動いて)
(何度も何度も、その女陰に猛った雄の象徴を突っ込んで、腰を打ち付けていた)
どうだ、このまま儂の妾にならぬか……さやよ。
この身体、一晩で手放すのは実に惜しい……っ。
そらそら、早くはいと言わねば、また中で達してしまうぞ。
(脱ぎ散らかった着物が辺りに重なり、既に寝床は汗でぐっしょり濡れている)
(彼女の乳房には節くれだった指が沈み、先端を唇で吸い上げてもいる)
(もはや、征服した身体を、蹂躙するのみと、家重の責めが緩むことはありそうになかった)