優梨へ

何度も何度も考えた。
自分の一昨日の夜の態度についてログを見返し、状況を反芻し
自分の心に手を当てるように思い返していた。
あのときのオレの態度がそんなにも優梨の心を曇らせていたなんて
すぐにその優梨の心へ向けて、きのうあとから送ることになったような伝言でも
送れていたらね。 ……オレには優梨から与えてもらっていた大きな安心があった。
優梨の繭の中で隣で眠ったのだという温められている一日のはじまりが昨日もあった。

でも優梨がそれだけ思わせてくれるというはひとは
それだけいつも自分の生身の感情をつかってオレと接してくれるひとだったから
軽い言葉を交わしていても通奏低音するようにそれだけ二人が真剣に向き合ってきたのだと今になってあらためて感じる。

そんな人だからオレも心をほどいて、動ずることなく、馬鹿力を君にだけ使うと思うことができた。安心できた。
こんな人にはもう会えないと思った。大切にしたいと思ってきた。

優梨を大切にしたいと思ったと以前つたえた気持ちは変わらないどころか
それがどんなことか、あらためて考えさせられました。

優梨の昨日の伝言があったからこれだけ優梨を凝視し、思える限り思って自分なりにここへまた来ることができた。
すでに知ってること、わかったこと、了解したこと。
お互いにわかっていること、すでに持ち合っているものを積み上げていこう。

名前を変えてほかの人として会う意味なんてどこにもない。
誰かのなかに優梨を捜そうとするなんて想像するだけで悲しくなる。

ちゃんと感情の触角をふるわせて、自分を持ち、心を遣ってくれる優梨だから
オレも思い切り向き合う、馬鹿力の使い方を初めて得たと思った。
もっと大切にさせてください。優梨が大好き。好きの領域は傷が超回復するとき大きくなるようなものだと思っています。

コーダイ