(するりと内ももを滑る手の感触に、思わず膝に力が入って)
…っ。
そんな顔、してない…っ。
耳、だめなのに…大智さんがいじわるしたのが先だもん。
だって…キスは。だって…。
(言葉を探しあぐねているうちに触れそうな距離の大智さんの唇)
もう…っ
やだ、いじわる!
(引き寄せられるように視線を当てたあと、軽く目を閉じ触れる瞬間を待ってもそれは来なくて)
(焦れたように目を開けた瞬間に視線と舌が一緒に絡んで、引波に攫われるように、奥へ奥へ導かれ、夢中で貪って)
ん…っ、は…ぁっ
(焦点が合わないほど間近で視線を絡ませたまま、深く浅く何度も甘く吸って、なぞって、軽く咬んで)
…ごほうびもらったの、わたしのほうみたい、です。
(唇が離れると、熱に浮かされたようにねだった自分がいたたまれなくて、視線を避けるように胸元に額を当て)
大智さん、そろそろ時間じゃない…?