(確かに、普段のどこかぽややんとしたルルーを見ていれば、精魔術のどうこうなんて、思いもよらないが)
――今、は。なんだか上手くいってるよう、な?
(なんとなく、そんな流れになっているような気がする)
(そもそも、今のルルーは、性格の不一致どころか――なんだかとても蠱惑的に見えて)
恥ずかしいことを想うけれど、その――。
(言葉にするのは恥ずかしいので、思うだけ、思う)
(ルルーが抱く、俺のことを好きだとか、食べてしまいたい、という気持ちが高まってるのが……上手くいっている理由なんじゃないか、とか)
虜、に?
って、ルルー……んっ……。
(困惑した声は、唇に塞がれる)
(キスで交換する唾液の量……にしては明らかに多いそれが、ほぼ一方的に、流し込まれて)
(熱くて、甘くて……まるで、酔ってしまいそうな感覚。だけど……思わず、喉を鳴らして、飲み下してしまう)
は、ぁっ……うぅ、なんだか、甘くて、ふわっと……。
媚、薬……?
キスだけ、で、そんなものが……んひ、あっ!
(ぞわり、と。肌を掠めていったルルーの吐息に、普段では上げないような声を上げてしまって)
(今のは――本当に、媚薬の効果とでも、言うのだろうか。でも、息が掠めただけで、あんなのなら)
(指で、舌で、肌を触れられれば……元から敏感だったところを責められれば、自分はどうなって、しまうのだろう)
ひぐっ……。
(それは、ちょっと怖い。怖いのに、鼓動が高鳴る。逃げようとするように、拘束された手足を、引っ張るようにばたつかせて)