(深夜の男子寮の一室、つまり彼の部屋からすべては始まっていた。人々の歓声はすでに時間とともに静まり返っており、小鳥の鳴き声や風のせせらぐ音のみが周囲を支配する。)
(外の暗闇のように彼の部屋もやや薄明りを点灯させるだけで周囲の闇とほとんど同化している。そんな男子寮の部屋にあろうことか私たち…年頃の男女が体を密着しあい、私は彼の衣服に指を絡めていた。)
(残念ながら窓からその様子はうかがい知ることはできそうにない。そんな薄暗闇に浮かぶ彼…彼女の愛らしい制服女装姿は、周囲の夜の闇に溶け込み妖艶な魅力を放っていたのだ。)

……やっと着替えが終わったわ…。まぁおとなしくしていて正解だったわね、ここで叫んでだれか来たらそれこそあなたの人生は終わりだもの。
今日の訓練はね…え、えっと…女装した理樹くんがあえなく敵につかまっちゃってとても辛辣な尋問を受けるシチュエー…じゃなくて想定訓練よ!
しかし何度見ても完成度が高いわね…。適当に服とウィッグをつけるだけで完璧…。もうそっち系の道に走っても食べていけるんじゃないかしら…。
(じろじろと彼の体を舐めるような、そしてまた嫉妬や羨望も含まれる視線が彼に絡みついていた。その視線の先は制服のミニスカートから露出するむかつくほどの白い太ももや、無いはずなのに自身の胸と比べて謎の魅力を発揮させる男の胸部、)
(そして丸みを帯びた年下の少女らしい丸みを帯びた愛らしいフェイスラインに向けられた。時折見せる感嘆のため息や素直に賞賛の言葉を述べる様子は、あまりにも彼の女装のフィット感をかもしだすには雰囲気をかなりリアルなものとしていた)