(鄙びた郊外の旅館…とは言え、部屋は清潔で高級感のある部屋だ。
蚤などのいる宿ではとても耐えられないほど、姉弟は良い暮らしをしていた)
(しかし、既に行き遅れになっている姉の婚礼が決まった時、2人は住み慣れた館を宵闇に紛れて抜け出した。)
もし、父上が迎えを寄越しているのならば直ぐに捕まってしまうね、青一…
明日の朝には此処を出なくては
(真っ白な布団の上で、長い髪を梳りながら姉が弟にポツリと呟く)
何処へ行こうか?

【読み方は はっか でお願いします】