じゃあレーナでお願いします。



(扉が叩かれる音で目を覚まし、逞しい体を起こして玄関へ向かう)
(聞き覚えのある声に、色々な感情をごちゃまぜにした顔を浮かべると、一度舌打ちをして扉を開け)

なんだよ…今から市場に行くんだ、何か用なら今度にしてくれよ。

(レーナの用は検討がつくが、ただ渡してもそれを持って薬師の所に飛んでいくに違いない)
(そう思うと何だかムカムカとして、自然と不機嫌そうな声と顔になってしまう)
(それを自覚し、わざとらしく唇を吊り上げて)

昨日、すげえ薬草が手に入ったんだ。売れば一財産、しばらく遊んでも暮らせるんだよ。
ま、俺くらいじゃないと手に入れられないけどさ。

(子供っぽい意地っ張りさを見せ、見せつけるように薬草をバッグの中に入れ、着替えていく)