(週末の夜。新興の住宅街にある奈緒子の家に夫の上司が訪ねてくる)
(夫は出張で週明けにならないと帰ってこない)

こんばんは、奥さん。
こんな夜に押しかけて申し訳ないね。だけど、急ぎの用事があったもんだからねぇ。
(夫の上司に居留守を使うわけにもいかず、嫌々ドアを開けた奈緒子に笑いかけながら
ジロジロと彼女を見つめる)

ちょっと、上がらせてもらってもいいかな?
こんな玄関先でする話でもないし。
(奈緒子をうかがう)