だって…だっておじたん…何でも買ってくれるって言ったから…
嘘つき…とでも言いたげな眼差しで見上げながら逆らうには強すぎる力で引かれて、少しずつ部屋の奥へと進んでいく

おじたん…時生、って言うの?
どこか懐かしいようなその名前に封印された記憶がちらりと掠めて
毬音が…言うこと…聞くの?

「なんか不条理」
頭の中で声が響くが、おりこうさんと言われ頭を撫でられるとうれしくなって

うん
毬音おりこーさーん
何があるのかなあ…
わくわくしながら襖に手をかける
幼い記憶の片隅に残る去年のクリスマスの情景を思い浮かべながら
開けたら、一面にプレゼントの山だったら…
どんなにうれしいことでしょう