直人くん、お疲れさまー
ねー、お客さん多かったね
(照明を落として薄暗くなったホールで声をかけられ、帰り支度をしようと控え室に向かう足を止める)

……あの、直人くん……、わたしこの間から付き合い始めた人がいるんだ
同じ大学のサークルの人
だから気持ちは嬉しいけど……ごめんね?
(ここのバイトで一緒になってから何度目かの告白)
(でも、美亜には他に好きな人がいてその彼と付き合えることになって)
(直人くんもかっこいいけど……、ってちょっと勿体ない気持ちもあったけど、きっぱりと断って)
ね、そろそろ帰る支度しよ
もう遅いし……