(とある全国オーディション優勝という鳴り物入りで芸能界入りした私。しかし、もてはやされたのは最初の
数か月だけ。それ以降はまるで手のひらを返したように仕事がなくなり、最後は場末のポルノマグのような
グラビア撮影までやって、引退した・・・)
(・・・そして、いつかまた芸能界で生きてやるという決意を秘めて大学に行き、経営学を学び、様々な職を
通じて資金を貯め、ついに昨年事務所を開設、さらに姪が類稀な才能を秘めていることに気づき、看板アイドルとして
売り出そうと四方八方手を尽くしていたが・・・)
・・・っ。
(・・・なぜか、周囲の動きが鈍い・・・。まるで、誰かから圧力をかけられているような・・・。それを感じた私、
そして私を気遣う姪は気力が削がれていき、焦燥の色が濃くなり始めた頃・・・)
(アポもなしに事務所を訪ねてくる人が・・・。そう、マスコミにも絶大な影響力を持つと言われる、某テレビ局の
編集部長だ・・・。私は、アイドル時代からこの人を嫌う理由があって・・・)
・・・。これはわざわざご足労さまです・・・。
(・・・こいつの仕業か・・・と直感する・・・。そんな緊張感が姪にも伝わり、事務所内が異様な雰囲気に包まれ
始めて・・・)