・・・あなたはお忙しいようですから、関係者の顔もいちいち覚えてらっしゃらないでしょうね。というより、私の
ことを覚えていたこと自体が驚きですけどね。
(針の一刺しのつもりで。口調もきっとドゲトゲしいものになってたと思う)

・・・あいにくと・・・、うちの事務所はまだまだ余裕がありますから・・・。
(と言いつつも、事務所としているビルは築30年以上の老朽建築物で、案内した芸能レポーターに資金不足を
見透かされたこともあった・・・。それでも、この男に頼りたくはなくて・・・)
・・・霧生さんが・・・?
(・・・そんな詩織の態度が軟化し始めたのは、元マネージャーさんの名前が出たから。彼女も夢敗れた
元アイドルで、詩織には本当に優しくしてくれた。この男の嫌がらせからも守ってくれてるのを知ってる。
だからこそ・・・)
・・・。
(無言で、男性の横に座る。あくまで座るだけで、グラスにも触れず・・・)
まさかとは思いますが、霧生さんにまで・・・?

【すみません、この後少し用事があって、30分ほど中座させてください・・・】