(両親が交通事故で亡くなった時、私は15歳、神奈は5歳だった。駆け落ち同然に結婚した両親は親戚とも
疎遠になっていて、頼ることもできなかった。高校だけはでておかなきゃと頑張って勉強し、地元の中小企業へ就職、
仕事をしながら妹の面倒を見ていた・・・)
(一時期、恋愛に心を奪われて妹と不仲になったこともあったけど、今はとにかく妹が不自由しないことだけを
こころがけてる。そんな時、妹にも恋人ができたらしいことが分かって・・・)

(・・・私は素直に祝福するつもりだった。でも、恋人への誤送信に「私はご主人様のもの」「精液便所として使ってください」という
言葉が躍っていることにショックを受け、妹にはメールは届いてないフリをして、「ご主人様」が同僚の宗司さんで
あることをつきとめて・・・)

(とある休日の午後。妹の神奈は図書館へ勉強に行かせた。その時間で、同僚の宗司さんを詰問するつもりで
呼び出していて・・・)
・・・来た!
(両親が残してくれた、けっして大きいとは言えない一軒家。それでも、女が固定資産税を払うには辛い規模のもの・・・。
その家のチャイムが鳴り、「あの男」が来たことを知り・・・)

(ドアを開ける。そして予想どおりの顔があることに、ある意味安堵して)
・・・いらっしゃい。ここでのお話というものでもないから、中へどうぞ。
(こちらはどこまでも強張った顔で、同僚に入るよう促して)

【こちらこそお願いします。こちらの服装は、夏らしく薄手のワンピにエプロンしてます】